下積み

 

最近私はビーマガVにハマってます(^^)

 

 

その冒頭、あるプロの方と当時のジュニアチャンピオンとの会話。

 

 

進行役の方がジュニアチャンプへこう切り出しました。

 

 

『やっぱり毎日ガンガン撞いてるんでしょ?』

 

 

J『いやいや毎日コップばっかり拭いてますよ』

 

 

ここであるプロが一言。

 

 

P『そんなのは当たり前。コップ拭いたり、車を動かしたり、俺もよくやってたよ』

 

 

この会話の意味わかります?

 

 

ビリヤード場の仕事の話なんです。

 

 

皆さんはビリヤード場で働くって朝から晩まで毎日タダでビリヤードが出来て、飽きたらパソコンいじったりなんかして、お客さんが来たらまたビリヤードをするみたいな、ビリヤードが好きな人にはさぞかし天国の様な環境なんだろうって思ってませんか?

 

 

実際はそんな夢みたいな環境ではないんですよ。

 

 

もしそんな状態でお店をやっても早ければ3年、もって5年で廃業してしまいます。

 

 

ここで私がお世話になったお店での話を少し。

 

 

実は先ほど上に偉そうな事を書きましたがまさに私が『ビリヤード好きには天国のような環境』だと思ってた人間なんです。

 

 

21歳でプロになりたくて家出、お店の二階に住まわせていただき、そこから始まった修行時代。

 

 

最初の二日間の事は鮮明に覚えてます。

 

 

1日目。

 

 

21歳の世間知らずのガキンチョは早速ビリヤードが出来ると思い意気揚々お店に参上。

 

 

マスターからの指示はTさん(当時の常連客)と撞いておいでとの事。

 

 

“ほいきた!やっぱりビリヤード場だ(^^)”って思い鼻の穴おっ広げでテーブルへ。

 

 

バチバチのぶっちぶちで完勝(^^)

 

 

どんなもんだと言わんばかりに戻ってきました。

 

 

そしたらまたマスターがあの人と撞いてこい、終わったら次はあの人と•••なんて感じで初日はほとんどの常連さんとビリヤードをして過ごしました。

 

 

朝方仕事が終わり寝る前にこう思いました。

 

 

『この調子で毎日撞けたらすぐプロになるんじゃね(^^)』なんて興奮して眠れなかったのを覚えてます。

 

 

二日目。

 

 

さぁ今日も球撞けるぞ〜なんてお気楽に店に降りました。

 

 

この日は暇でお店の仕事を教えてもらう事に。

 

 

そしてお客さん来店。

 

 

さぁ出番だと思ったのですがなかなかマスターからの指令がなく仕事の話ばかりでお客さんは一人。

 

 

しびれを切らせた私はマスターにこんな事を言い放ちました。

 

 

私『撞いて来ていいっすかぁ?』

 

 

マ『お前何言ってるんや?』

 

 

私『いや、お客さん一人なんで•••』

 

 

マ『お前な、昨日は常連さんに覚えてもらう為に一日中撞かせたんだぞ!調子に乗るな!』

 

 

私『•••すいません』

 

 

マ『球撞きたかったらまず仕事覚えろ!○○○○がぁ!』

マスターの名誉の為に○にしてます)

 

 

今思えば私のあり得ない発言によくマスターは私を破門にしなかったなと思います。

 

 

もし北海道から来てなかったら間違いなく破門だったでしょう。

 

 

私の修業時代はこんなスタートでした。

 

 

この日から私は“球撞きたかったら仕事覚える!”をスローガンに仕事に励みました。

 

 

ですがビリヤードが好きなんでついついビリヤード方に神経が行き上手な人の球を真剣に見いってしまうこともしばしばで、マスターが後ろから一言。

 

 

マ『お客さんやってないで仕事しろ馬鹿たれ!』

 

 

私『すいません!』

 

 

マ『灰皿交換するとか!お水取り替えるとか!たまってる洗い物拭けよお前は!』

 

 

私『はい!』

 

 

こんな会話が毎日繰り返されました。

 

 

それだけ私は世間知らずで仕事出来ずの余計な事喋る(これは今でも)のガキンチョだったのです。

 

 

ビリヤード場の仕事は沢山あります。

 

 

私がお世話になったお店の仕事を少し書いてみます。

 

 

お客さん来店、もうこの時点でトレーにお水とおしぼりを用意して入り口で待っていなければなりません。

 

 

いらっしゃいませの後の用意では普通です、普通じゃ遅いんです。

 

 

その為にお客さんの車が見えたら準備開始!

 

 

車がどこかの窓から見えた瞬間に反応するんです。

 

 

ここがスタート。

 

 

お客様がテーブルに付きオーダーをドリンクもしくはフードの準備。

 

 

砂糖は何個か、ミルクの分量、カップソーサーに有無まで把握する。

 

 

フードを作る場合はフロアが見えません。

 

 

灰皿交換、お水給水、お客様の把握、フロアのすべてを掌握し厨房へ。

 

 

他にフロアからの何かがないかを耳で判断して反応出来るようにフードを作る。

  

 

 

落ち着いたらフロアに出ていつでもお客様に対応出来るようにお客様全員が見える場所でビリヤードを見てるふりして待機。

 

 

もちろんこの状態でも反応出来るように店の外も見てます。

 

 

6台満台、フードが出てコーヒーたてながらフロアも見て隙があれば灰皿交換お水給水、込み合って来たら車の移動と気部ばり目配りには余念がなく考えてます。

 

 

この作業を私とバイト君二人でお店を回してました。

 

 

絶対マスターには仕事はさせません。

 

 

マスターに仕事をさせるような店長は失格です。

 

 

一方暇な時も急がしいんです。

 

 

台の掃除機かけクッションとテーブルベットの隙間に詰まったゴミを爪楊枝で取りテーブルスカート、ボールレール、ラック、メカニカルブリッチの拭き掃除、ハウスキューのメンテナンス、チョーク削り、エアコンの掃除、お店のありとあらゆる場所を掃除。

 

 

お客様にいつでも快適に過ごしてもらうように最大限の努力をします。

 

 

最低限これくらいはします。

 

 

ビリヤード場は接客業です。

 

 

ゲームセンターとはわけが違います。

 

 

いつでもお客様を迎え入れられるように、そしていつ来ても快適に過ごしてもらえるように状態を作り万全の体制で待つ。

 

 

そして店の仕事を覚えて勝手に体が反応出来るようになって初めてマスターに認めてもらえます。

 

 

これが出来て初めてお店の為にキューを持てます。

 

 

ここからが自分のビリヤード修行のスタートです。

 

 

お店の仕事を覚え、一人でも店を回せるようになって初めてビリヤードができるんです。

 

 

特に私がお世話になったお店は、『ここで仕事を覚えたら日本のどこのビリヤード場でも使える』と言われるくらい厳しいお店です。

 

 

お店を卒業してから何度か遊びに行きましたがその時でも常に先を読んで勝手に目が反応し耳が反応し体が反応します。

 

 

その反応、叱られながら覚えた社会勉強は私に人生にものすごく役に立ってます。

 

 

もちろんビリヤードにも。

 

 

目配り気配り心配り、先読み、予測、リスクマネージメント。

 

 

これが私の下積みです。

 

 

この時期があったからこそ今があります。

 

 

初めの話に戻りますがビーマガVであるプロが言ってた話を聞いた時、自分の下積み時代と修行時代を思い出しました。

 

 

そして初心を忘れずにビリヤードに精進しようと再確認出来ました。

 

 

皆さんは自分の下積み時代を覚えてますか?

 

 

それは今、役に立ってますか?

 

 

そして初心を忘れていませんか?

 

 

下積みさせていただいた師匠に感謝。

 

 

育てていただいたお客様に感謝。

 

 

私をこの世界へ導いてくれた方に感謝。

 

 

ビリヤードに感謝です。

 

 

ビーマガVを見てこれからも初心を忘れず、皆様に感謝してビリヤードに精進して行きたいと気が付いた最近の話でした(^^)

 

 

 

 

 今回もブログを読んでいただきありがとうございました。

 

下のバナーをクリックしていただければ順位が上がります!

 

よろしくお願いします!